「ベビーマッサージ」は、NICU(新生児集中治療室)でママとベビーの結びつきを生む「愛着形成」のために実践されている方法。ベビーに手を触れることで心と体の声に耳をかたむけ、ママとベビーの心を通わせる「タッチケア」の方法をベースにした、家庭でも簡単に実践できるベビーマッサージの方法を、ヨガインストラクターの笠井愛子先生に教えていただきました。
今回は月齢3か月〜の首がすわったベビー向けのマッサージを、動画と一緒にご紹介します。
ベビーマッサージとは?
今回ご紹介するベビーマッサージは、ベビーに手を触れることで心と体の声に耳をかたむけ、心を通わせる「タッチケア」の方法をベースにしています。
NICU(新生児集中治療室)でママとベビーの結びつきを生む「愛着形成」のために実践されている「ベビーマッサージ」は、ベビーの成長をうながすためのものでもありました。
ベビーマッサージの対象年齢
今回は、3か月以降の首が座ったベビーを対象にしたベビーマッサージをご紹介します。下は3か月から、上は何歳まででもOK。
お子さんとのコミュニケーションに、マッサージを活用してください。
新生児~2ヶ月までのベビーには、もっとゆっくりとした動作で短時間で行うベビーマッサージになります。
使用するアイテム
- オイルまたはローションなど
ベビーマッサージに「流す」動作が多いので、素手よりはオイルもしくはローションを使った方が摩擦による刺激が少なく、ベビーの肌に負担もかかりません。
オイルやローションを選ぶ時のポイント
ベビーの肌はデリケートなので、新鮮なもの・自然由来のオーガニックな成分のものがおすすめです。無香料のものもベビーへの刺激は少なめ。
刺激が少ないのは無香料のものですが、ベビーは生後6か月で匂いをかぎ分けるようになり、1歳からは香りが記憶に残るといわれています。ママとの触れ合いも、香りの記憶とともに特別な思い出に。オイルやローションの香りが、ママとベビーのコミュニケーションツールになります。
ベビーマッサージにおすすめのタイミング
ベビーマッサージのタイミングは、基本的にいつでも、ママのゆとりがあるときでOK。ですが、おすすめをあげるとすれば血行がよくなっているお風呂上がり。
お風呂上がりにベビーマッサージをして、水分を補給してからだと寝つきがよくなります。
避けたいタイミング
いつでもOKなベビーマッサージですが、下記のタイミングは避けるようにしましょう。
- ベビーが泣いているとき
同様に、マッサージ中にぐずったり嫌がったりしたときにも中断しましょう。
- ベビーが寝ているとき
- 授乳直後、ごはん直後
お腹が刺激されて吐き戻しの原因になります。
マッサージのパーツ
ベビーマッサージでは、順番は特に重要ではありません。ベビーが嫌がる場所は飛ばしてしまってかまいませんし、時間が取れないときには顔だけ、腕だけ、などでもOK。ぐずったら中断しても大丈夫です。
大切なのは、ベビーマッサージを通じて、ママとベビーが触れ合い、心を通わせること。
お風呂上がりやお休み前、ちょっとしたすきま時間にも、ぜひ実践してみてください。
下記のパーツごとに、ベビーマッサージの手順をご紹介します。
■ あおむけ
- 顔
- 胸とお腹
- 腕と手
- 脚と足の裏
■ うつぶせ
- 背中とお尻
マッサージのポイント
優しいタッチだと、ベビーがくすぐったがる・嫌がることがあります。
ママの手の平や指の腹で押す圧力が、ベビーの肌の色が白っぽくなるくらいである方がベビーは安心します。
パーツ別・ベビーマッサージ
■ 顔
- オイルを1プッシュ手のひらに伸ばす。マッサージで使用する親指にもオイルを伸ばします。
- 眉間からこめかみに 2回繰り返す。
- 目の下からこめかみに。
- 鼻の横からこめかみに。
- 口の横からこめかみに。
- あごからこめかみに。
- 顔の両サイドに手を添え、指の第2関節あたりを使って、こめかみのあたりからあごの下あたりに流す。
■ 胸とお腹
- オイルを1プッシュ手のひらに伸ばす。
- 胸の中央に手を当てて、手のひらがベビーの体から離れないように意識しつつ、ハートの形を描くように胸の上から横腹のあたりを通っておへその下へ流す。お腹の中央から胸へ、スタートの位置に戻って2-3回ほど繰り返す。
- 手のひらを使って脇腹から肩に斜めに撫で上げ、撫で下ろす。左右2-3回ほど繰り返す。
- 手のひらを使って胸の上からペダルを漕ぐようにお腹の下まで流す。両手で2-3回ほど繰り返す。
- 手のひらをベビーのおへそに当てて、ママの肩を軸に時計回りに、優しく圧を移動させるようにマッサージする。
■ 腕と手
1-7の手順を両手に行います。
- オイルを1プッシュ手のひらに伸ばす。
- ベビーの腕をしっかりとママの手で包み込むようにして、左右の手を交互に使ってベビーの腕を絞るように流していく。手首から肩、肩から手首どちらでもOK。
- ママの片手はベビーの二の腕に、もう片手はベビーのひじ下に、ベビーの腕を絞るように優しく刺激する。
- ママの両手の平を使って、ベビーの肘から下、手首のあたりを挟み込み、くるくる転がす。二の腕のあたりも同様に。
- 親指を使って、ベビーの手のひらから指先に向かって、指を広げるように流す。
- 両手の親指を使って、くるくると円を描くようにベビーの手のひらを刺激する。
- ベビーの指の付け根を一本ずつつまみ、優しくねじるようにマッサージし、指先に向かってポンッとリズミカルに引き抜く。すべての指に繰り返し。
■ 脚と足の裏
両手に続いて、1-8の手順を両足に行います。
- オイルを1プッシュ手のひらに伸ばす。
- ベビーの脚をしっかりとママの手で包み込むようにして、左右の手を交互に使ってベビーの脚を絞るように流していく。ふとももから足首、足首からふとももどちらでもOK。
- ママの片手はベビーのふとももに、もう片手はベビーの膝下に、ベビーの脚を絞るように刺激する。
- ママの両手の平を使って、ベビーの膝から下、足首のあたりを挟み込み、くるくる転がす。太もものあたりも同様に。
- 親指を使って、ベビーの足の裏のかかとから指を押し広げる感じで、指先に向かって流す。
- 両手の親指を使って、くるくると円を描くようにベビーの足の裏を刺激する。
- ベビーの足指の付け根を一本ずつつまみ、優しくねじるようにマッサージし、指先に向かってポンッとリズミカルに引き抜く。すべての指に繰り返し。
- 両脚が終わったらベビーの膝を持って、お腹を刺激するように膝をぐっとお腹側に持ち上げる。2-3回ほど繰り返す。
■ 背中とお尻
- ベビーをうつぶせに寝かせる。
- オイルを1プッシュ手のひらに伸ばす。
- 脇腹からななめに、肩に向かって手のひらで往復マッサージを2回繰り返す。反対側も同様に。
- 左右の手を使い、片手は肩の上に、片手は脇腹のあたりからジグザクを描くようにお尻に向かって流していく。2-3回ほど繰り返す。
- 両手のひらを首の下に当てて、お尻に向かって小さく円を描くように流していく。2-3回ほど繰り返す。
- 両手の親指をベビーのお尻のくぼんだところにあて、くりくり優しく回すようにして、お尻のコリをとる。2-3回ほど繰り返す。
- 最後に、肩から足首に向かって垂直に両手のひらを使って流していく。
- ベビーマッサージが終わった合図を送る。背中に優しく手のひらを当ててしばらくそのままに、軽く揺すったあとに手を離す。
終了後は水分補給を忘れずに
ベビーマッサージが終わったあとは、ベビーの体内で水分が不足しています。お休み前であっても、水分を補給するようにしてください。
ママのためのマッサージ記事はこちら
お家で簡単にできる ハンドマッサージ
お家で簡単にできる フットマッサージ
ママとベビーが触れ合い、心を通わせるベビーマッサージをご紹介しました。特別な道具は必要なく、マッサージ用のオイルやローションがあれば、ご家庭で簡単に実践できます。
順番も重要ではなく、ママやベビーの都合に合わせて、お気に入りのパーツだけでも、少しの時間だけでも大丈夫。
お風呂上がりやお休み前、ちょっとしたすきま時間にも、お好みのオイルやローションを使って、ぜひ実践してみてください。
今回、ベビーマッサージを教えていただいた笠井先生は、都内近辺で不定期にベビーマッサージの講習も行なっています。気になる方は、webやInstagramをチェックしてみてくださいね。
Yoga Instructor
笠井愛子
鎌倉を中心にヨガインストラクター&ベビーマッサージの講師として活躍。
自身も7歳と4歳の二児の女の子のママ。
刺繍アクセサリーブランド「zazie ai」も主催。
透明感のある声と柔らかい雰囲気のおしゃれなワーキングママ。
日本タッチケア協会指導者資格取得。
webページ www.zazie.cc
Instagram www.instagram.com/zazie_ai/