ママでありながら、自分の魅力を生かして活躍する素敵な女性たちをご紹介する企画「mama creators interview」。4回目にご登場いただくのは、スタイリストの安藤麻衣子さん。現在7歳の女の子、5歳・2歳の男の子のママでもある麻衣子さんに、子どものお洋服の選び方やホームパーティー、ピクニックでのテーブルコーデなど、コーディネイト&ママのプロとしてアドバイスしていただきました。
普段着はZARAやH&Mに行き、子どもに自分でコーディネイトさせる
以前はテレビ番組に出演するタレントさんの衣装を担当したり、ファッション雑誌の世界でバリバリ活躍されていた麻衣子さん。3人目のお子さんの出産を機にお仕事をセーブし、今は週に一度ほど現場でお仕事をされ、前後で衣装のリース・返却をしたり、リサーチの時間に当てているそうです。自宅のウォークインクローゼットにはお仕事用の衣装がずらりと並び、一線で活躍するスタイリストのママをもつお子さんは、普段どのようなお洋服を着ているのでしょうか。
「コートなどアウターは3人着れるようにダッブルとかトレンチとか定番のデザインで、上質のものを選びます。ベビー服時代はPETIT BATEAUがおすすめで、特に福袋は、買っておくと次のシーズンまで使えるし、とってもお買い得。あとは息子にも回せるSAINT JAMESのボーダーシャツとか。靴は、今のシーズン(初夏)はKEENのサンダルやNEW BALANCEのアクアシューズが女の子でも男の子でも大活躍しますね。」
麻衣子さんおすすめのスキンケアグッズ。「CODINAのアルガンオイルは時間のないママには本当にオススメ。CODINAのシアバタークリームは家族全員で使える優れものです!」
小学2年生の長女・花凛さんの最近のお気に入りは、麻衣子さんが衣装用に買ったお洋服のお下がりなんだとか。
「今日はsnidelのつなぎと、パフスリーブのニットの下に細身のロンTを合わせ、小豆色のキャップをかぶっていきました。大人用だから娘が着るとダボっとするんだけど、それが逆に今のトレンドに合っていてとってもかわいくて。なかなかやるな、と思いました(笑)。」
最近では花凛さんと一緒にZARAやH&Mに行き、決まった金額の範囲内で上から下まで一式、自分で選ばせるそうです。
「私が仕事の展示会で『かわいい!』と思ってオーダーしたものを全く着なかったりするし。6歳からコートやアウター以外、自分の好きなものを選んで買う、というルールに変えました。私は彼女が買い物している間、近くのカフェでゆっくりお茶しています(笑)。」
ピクニックやホームパーティーもコーディネイト
スタイリストとして現場でお仕事されるときは、ワンピースを着たりパンプスに履き替えるなど、「オン」スタイルをされるとのことですが、保育園への送り迎えや、お子さんと一緒に公園で遊ぶときなど、カジュアルダウンするときの「オフ」スタイルについて聞いてみました。
「朝、コーディネイトを考える時間がないので、パターンを決めていて、それを組み合わせる感じです。私の場合、ボトムは濃いデニムか薄いデニム、トップスはTシャツかロンTで、その上にジャケットもしくはコートを着る、というのが定番です。季節によってリネンやカシミア素材のストールをさらっと羽織ると、おしゃれに見えますよ。」
もちろん、たまにお子さんをパパに預けて、夜ママ同士で食事会をするときは、みんな独身時代のようにヒールを履いたり、ウィッグをつける人までいて、ドレスアップするのだとか。
「休日は、お友達の家族とホームパーティーをしたり、最近は公園でピクニックをすることが多いです。この2ヶ月間で6回くらいやっていますね。回数を重ねるうちにどんどんレベルアップして、テーブルコーディネイトに凝ったり、ピクニックでもインスタ映えするフードとか、サンドウィッチを入れるバスケットにかわいい布を巻いたり、カラフルなペーパーナプキンを使ったりしておしゃれに見えるよう工夫しています。」

(左) BRUNOのホットプレート。「我が家ではチーズフォンデュやチョコフォンデュ、お好み焼きやタコ焼き作りに重宝しています。」
(右) ピクニック用お弁当。料理の写真をおしゃれに撮れるカメラアプリFoodieで撮影。
やはり“スタイリスト”というお仕事柄、プライベートでのパーティーやピクニックでも、コーディネイトやデコレーションの段階から凝ってしまう、という麻衣子さん。お友達のお家でのホームパーティーにお呼ばれしたときも、その家に合いそうなテーブルクロスや装飾品を持参。パーティー開始時間の30分前には到着し、準備をお手伝いして喜ばれているのだそう。
長女は「創作」、長男は「虫」が大好き
そんなママが“スタイリスト”だということをよくわかっていないと思う、と麻衣子さんは推測しますが、娘の花凛さんはとても器用で、何かを「創作すること」が大好きなのだそうです。

(左・中央)7歳の長女、花凛さんの作品。「2歳から筆を持って絵の具で描いていましたね」
(右)5歳の長男、偉楓くんの作品。
「『明日、学校に行く前にこれを作りたいからママも6時に起きて』と言われるのが辛くなってきて(笑)、週に一度アート教室に通わせています。そこはただ絵を描くというだけでなく、例えばカメラを全部バラバラにして、好きなように組み立てたり、いわば『ピタゴラスイッチ(Eテレ放送の4〜6歳を対象にした「考え方」を育てる番組)』のようなことをする教室で。それが娘には合っているようで、毎週とても楽しみに通っています。」
作りためたお子さんたちの作品は、上半期/下半期の年2回に分けて自宅で展覧会を開催。写真撮影をした後に処分するのだそう。
花凛さんはものづくりや絵を描くことに夢中ですが、一方長男の偉楓(いぶき)くんは、昆虫採集が大好きだそうです。
「偉楓は、絵を描いたり、何かを作るのが苦手で。とにかく虫が大好きなんですよね。それで育てるのがだんだん上手になって。去年、はじめて幼虫をもらったんですが、それがカブトムシになって、交尾をさせて、卵を産ませて、その卵をかえして、今さなぎになっています。一年以上かけてやっと一周したんですが、そんなことを保育園から借りてきた図鑑を見ながら一緒にやったりして、今まで自分の人生で全く知らなかった世界なので、私も楽しんでいます(笑)。」
都心とは思えない広々とした自宅のお庭。子どもたちが外で絵を描いたり、みんなでランチしたりするのだそう。「虫もたくさんいるので、偉楓も大喜び」
凝り性な麻衣子さんのお子さんだけあって、創作に昆虫採集にととっても熱心!と感心してしまいますが、子どもは誰でも夢中になれることがきっとあるはず。麻衣子さんは、子どもたちにそっと手を差し伸べ、彼らが創意工夫しながら好きなことに打ち込める環境づくりが上手な、素敵なママだな〜と感じました。盗めるテクは参考にして、自分のオリジナルの子育てにアップデイトできるといいですね!
安藤麻衣子
スタイリスト馬場圭介氏に5年間師事した後、独立・渡英。
帰国後、雑誌、アーティスト、広告等で幅広く活動。
三児の母+マルチスタイリストとして、仕事に子育てに日々奮闘中!
edit&text:Nao Asakura
photo:Mariko Mibu