
もうすぐ終戦記念日。今年2019年で、終戦から74年が経とうとしています。夏休み最後の思い出作りは、これからの「平和な国・日本」を考えるイベントに参加してみてはいかがでしょうか?
7月31日~8月5日に開催される『CLiP HIROSHIMA × 第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展』は、戦争を経験していない第三世代の有志が中心となって、次の世代に戦争体験を継承していくことを目的としたイベントです。終戦記念日前に、家族みんなで平和について学べるイベントとして注目されています。
“CLiP HIROSHIMA × 第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ“のイベント内容は?
『CLiP HIROSHIMA × 第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展』のイベント内容の主旨は、「親子で参加して考える平和学習」です。常設展や日替わりで行なわれるイベントが行なわれ、それぞれの企画を通して、戦争という悲劇を繰り返さないための「継承」について、親子で考える機会を提供してくれます。
戦争を経験していない世代がつくる参加して学べるヒロシマの企画展
常設展では、
- ヒロシマの記憶を継ぐ人インタビュー展示
- みんなの考える「声」
- 広島市立千田小学校の児童が製作したキャンドルとうろう
- 広島市立吉島東小学校の4年生が製作した平和新聞
- とうろうに込めるメッセージ
が毎日開催されています。
みんなの考える「声」展では、「戦争が起こるきっかけ」や「繰り返さないためにはどうしたらいいのか」といったテーマを、小学生から大学生が考えた言葉にして展示されています。こどもならではの平和に対する視点をうかがい知れます。
とうろうに込めるメッセージ展では、平和のメッセージを込めたとうろうをバーチャル空間の川に流し、集められたメッセージを8月6日のとうろう流し会場継ぐ展へ投影するプロジェクトです。戦争の記憶をデジタルにして、こども達に継ぐことを目的にしています。
企画展タイトルの「 」に込められた想い
『CLiP HIROSHIMA × 第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展』の「 」には大きな意味があります。情報をただ受け取って終わりではなく、こども達が主体性を持って、戦争という出来事を学び、自分なりの答えを入れて欲しいという思いが込められています。
こども達ひとりひとりが考えるヒロシマの答えは、こども達の数だけあります。その答えが未来の日本の平和を創っていくのです。
“CLiP HIROSHIMA × 第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ”で学べる平和への取り組み
イベント期間中に開催される体験型学習の一例を紹介します。
親子で考える平和新聞
予約制の教室で、参加費用が500円かかります。定員は5名の予約制です。1日2回の教室で期間中毎日行なわれます。
継ぐ展オリジナルの自由研究ツールを使って、過去の新聞記事を切り抜いたり、戦争の資料を調べたりしながらオリジナルの新聞を作ります。お父さんお母さんは、こども達の新聞作りをサポートしながら、過去に受けた社会科の授業や平和授業を思い出してほしいという狙いもあります。
完成した平和新聞は、中国新聞社主催の「みんなの新聞コンクール」にも応募できます。自由研究の課題として、親子一緒に戦争で学んだことを継ぎながら作業を楽しめますよ。
被爆アオギリの木のお話を聞いてクレヨンで葉を描こう
近年知育方法として効果的だと注目されている「読み聞かせ」。原爆のあとに奇跡的に再生したアオギリの木。広島には現存する被ばく樹木が複数あります。絵本の読み聞かせのあとに、クレヨンで被爆樹木を再現します。
沢山の葉っぱを描いて平和に想いを馳せながら、奇跡のアオギリの木を育てます。読み聞かせでは、想像力や語彙力が育てられると言われています。戦争という悲しい出来事を想像しながら、アオギリ再生までの物語を通じて、ヒロシマを次世代に継ぐことが目的です。
“CLiP HIROSHIMA × 第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ“のイベント情報
- 「開催場所」
広島会場:広島県広島市中区東千田町1?1?18CLiP HIROSHIMA 1F イベントスペース
町田会場:東京都町田市原町田6-8-1(町田センタービル6・7階) - 「日時」
広島会場:2019年7月31日(水)~2019年8月5日(月)
町田会場:2019年8月5日(月)~2019年8月9日 - 「時間帯」
広島会場:11:00~18:00
町田会場:8:30~19:00 - 「料金」
無料※ワークショップなどで料金が発生する場合もある - 「予約の有無」
予約不要 - 「交通手段」
広島会場
広島電鉄「鷹野橋電停」もしくは「日赤病院前電停」より徒歩 約7分
広島バス26 号線「竹屋町」バス停より徒歩 約6分
広島バス50号線「竹屋町西」バス停より徒歩 約4分
町田会場
電車でお越しの方:JR町田駅北口から徒歩約3分。小田急町田駅西口・東口・南口から徒歩約5分
バスでお越しの方:町田バスセンターから徒歩約5分。平日は町田市民バス「まちっこ」も利用可能 - 「駐車場情報」
近辺にパーキング有 - 「公式サイト」
https://tsuguten.com/2019/
過去開催時の反応は?
広島だけではなく、東京や横浜など関東圏でも同様のイベントが開催されてきました。2015年は原爆の日である8月6日まで行なわれ、原爆投下当時から現在までの広島の移り変わりを記録した写真展が開催されました。8月6日の広島の朝を体験するイベントでは、朝7:45から開場し、平和祈念式典のテレビ中継が行なわれています。
その他、とうろう流しで使うとうろう作りのワークショップや、夏休み中の自由研究の題材としての資料提供など、単なる平和イベントではない知育も兼ねたイベントとして大盛況を記録しました。
2019年は、広島と東京都町田市の2会場で行なわれます。広島会場とほぼ同じワークショップやイベントを開催しているので、遠方で来場が難しいという方は、町田会場に足を運んでみても良いでしょう。
悲しい戦争を繰り返さないためにも平和を考えるきっかけに
『CLiP HIROSHIMA × 第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展』は、原爆ドームや平和記念公園のような、ありのままをダイレクトに伝えるような企画展ではありません。終戦後から広島を中心に活動してきた平和を訴える活動を次の世代に伝え、悲しい記憶を繰り替えさせないためのイベントです。
個人個人が学ぶ平和活動とちがい、終戦後の取り組みを実際に楽しいイベントとして、こども達に知ってもらうことを目的としています。わたし達のような戦争を知っている親を持つ世代から、戦争を全く体験したことのないこども達の世代に、戦争の記憶を繋ぐことは未来の日本の平和を守るためにも重要な取り組みです。
元号も変わり、新しい日本がスタートしました。過去の出来事を消すことはできませんが、戦争によってどんなことが起こったのか、そしてどんな取り組みをして今の日本の平和が守られているのかを知る良い機会です。家族みんなで参加してみることをオススメします。