<2歳> 感性と好奇心を刺激する しかけ絵本5選

自我が芽生え、体も心もぐんぐん成長していく2歳。「イヤイヤ期」と言われたりもしますが、それも自分の意志がしっかりとしてきた証拠。その子ならではの個性に思わず笑わせられたりもする、賑やかな時期ですね。

それまでは特定の絵本にしか興味を示さなかったけれど、絵本の面白さに目覚め、いろんな絵本にチャレンジするようになったりもします。

しかけ絵本も、より高度なしかけやストーリーの展開も楽しめるようになります。この頃、子どもの関心が向く「生活習慣」のテーマもポイントです。この年齢には、数あるしかけ絵本の中から、どんなものを選べばいいのでしょうか?

今回、しかけ絵本を製作している出版社にご協力いただき、「好奇心」と「感性」を刺激するという視点でおすすめを教えていただきました。

そこからさらに5つのしかけ絵本を年齢別にピックアップしました。しかけ絵本と出会うきっかけにしていただけたら幸いです。




しかけ絵本とは?

本を開くと飛びだしたり、触ると音が出たり、ひっぱったりめくったり…が楽しいしかけ絵本。

自分のアクションに対して得られる「驚き」「感動」の感情は、学びに必要な「もっとやってみたい」という動機と集中力を育てます。

また、しかけ絵本での「めくる・つまむ・ひっぱる・さわる」という動作は手や指を多く使います。
指は使えば使うほど脳に刺激が与えられ、脳の働きが活性化するため、「知育」に効果があると言われています。




【2歳】自我が芽生える時期。生活習慣、身近な題材がテーマのしかけ絵本が面白い!

2歳は「魔の2歳児」、英語でも「Terrible two」という言葉があるほど、なんでも自分でやりたがり、自己主張をはっきりとするようになる年齢です。体もしっかりしてきて、走ったりジャンプしたり、自分の意思で体を使うのが楽しくてしょうがない!という様子で落ちついていません。

手先も器用になって、洋服を自分で脱いだり、ハサミを使って紙を切ったりと、いろいろなことにチャレンジしたがります。「自分でできることは自分でしてみたい」と生活習慣への関心が高まる頃です。

言葉の面では、語彙が急速に増え、300語以上を獲得します。主語と述語の二語文に、少しずつ副詞などが加わっていき、言葉での意思疎通がスムーズにできるようになってきます。

ものの認知も進むため、「これ、なに?」と大人を質問攻めにすることも。この時期こそ、絵本でモノと言葉を一致させ、子どもの言葉の世界を広げてあげてください。

「見たて・ごっこ遊び」も大好き。これは知的に非常に高い能力が必要な遊びです。絵本に大好きな食べ物が出てきたら、一緒に食べるまねっこをするなどして、とことん付き合ってあげるとよいでしょう。

2歳半前後になれば、想像力も膨らんでくるので、シンプルなものであれば物語の世界にも入りこめます。意外な展開に大笑い、なんてことも。




2歳向け しかけ絵本を選ぶポイント

○ めくる、ひっぱる、こする、なぞるなど、手先を高度に使える絵本
○ 生活習慣をテーマにした絵本
○ 見立て遊び・ごっこ遊びが進むような、日々の身近な題材の絵本
○ 2歳半頃から …ストーリーの展開も楽しめる物語絵本




絵本紹介

「どこどこ、どっち?」

どこどこ、どっち?

絵/マルティナ・ホーガン
訳/みた かよこ
出版社/大日本絵画
価格/¥ 1,500+税

みぞになった道を指先でたどって、こぎつねのコンといっしょに絵の中にいるお友だちをさがす絵本です。
指先を使うと脳が活性化されて想像力が育つなど、子どもの成長に効果があると言われています。
森、牧場、海の中、街、砂漠、雪山のそれぞれの場面で、手と頭をつかって楽しめます。

http://www.kaiga.co.jp/products/detail.php?product_id=7465




「ジャングルのおと」

ジャングルのおと

文/サム・タプリン え/フェデリカ・アイオサ
訳編者/みた かよこ
価格/¥ 2,000+税

こどもたちが大好きな動物がたくさん住んでいるジャングルではどんな音が聞こえるのでしょう? 
トラやオランウータン、ヒョウやかえるの鳴き声や、雨の音やゾウの水しぶきの音など、全部で10の音がきこえます。
ところどころに穴あきや、でこぼこした加工がほどこされていて、指でなぞっても楽しめます。

http://www.kaiga.co.jp/products/detail.php?product_id=7523




「おんなのこトイレ」

おんなのこトイレ

監修/江東区南砂さくら保育園
絵/jinco
出版社/ポプラ社
価格/¥950+税

洋式トイレの便座を上げたり、トイレットペーパーを出したりするしかけを使って、
トイレに親しみ、楽しみながら使い方を学べます。
和式トイレや小便器の使い方も掲載あり。保護者向けのガイドも充実していて、
なかなか人には聞けない疑問も解決できます。
座っておしっこする方法は?どうやってふくの?など、具体的に「トイレ」をイメージトレーニングできる頼もしい一冊です。
おとこのこ向けもあります。

「おんなのこトイレ」
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/2112002.html
「おとこのこトイレ」
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/2112001.html




「やさいさん」

やさいさん

作/ツペラ ツペラ(tupera tupera)
出版社/学研
価格/¥950+税

「やさいさんやさいさん、だあれ?」とページを開くと、おなじみの野菜が土からすっぽーんと出てくるしかけ。
センスの良い絵で表現された野菜たちのダイナミックな動きが楽しい。野菜の種類を覚えるだけでなく
形状、葉の様子までちゃんと描き分けてあるので、図鑑のような楽しさも味わえる。
ツペラツペラの同シリーズには「くだものさん」「ぼうしとったら」など。

「やさいさん」
https://hon.gakken.jp/book/1020329800




「ひげらっぱ」

ひげらっぱ

作・絵/ザ・キャビンカンパニー
出版社/ひさかたチャイルド
価格/¥1,500+税

へんてこなラッパを拾ったぷーたくん。試しにママに吹いてみると…ママにおひげが生えちゃった!
パンやビル、地面に向かって吹くと、次々におかしなひげが生えていきます。そして、空に向かってラッパを吹くと…
ダイナミックなしかけとともに現れる、愉快なひげの世界をお楽しみください。
「ひげらっぱ らっぱ ぷ〜♪」の楽しい音色を一緒に口ずさみたくなる、愉快なしかけ絵本。
巻末には、ひげごっこが楽しめるひげシール付き!

https://www.hisakata.co.jp/book/detail.asp?b=049085




少しずつ大人の世界をまねっこしたり、自分でなんでもやってみたり…できることが増えていく嬉しさを子どもながらに感じている2歳。

絵本を通じて、生活の中のいろいろな約束ごとを少しずつ覚えていけたらいいですね。

理解力がついてくるので、大人でも楽しめるような絵本を、一緒にガハハと笑って読むこともできるようになります。親子で楽しさを共有した「思い出の一冊」との出会いがあると素敵ですね。