
まだ言葉がよくわからない0歳の赤ちゃんの場合、絵本は「読み聞かせる」というよりも、「いっしょに絵本を見合う」という段階です。
そんな時、めくる・ひっぱる・音が出るなどの「しかけ絵本」は赤ちゃんの興味をひくのにとても役に立ちます。
知育という点からも、0歳のうちに与えられた刺激は、脳の発達を促し、その後の成長を左右する意味で重要だと言われています。
この年齢には、数あるしかけ絵本の中から、どんなものを選べばいいのでしょうか?
今回、しかけ絵本を製作している出版社にご協力いただき、「好奇心」と「感性」を刺激するという視点でおすすめを教えていただきました。
そこからさらに5つのしかけ絵本を年齢別にピックアップしました。しかけ絵本と出会うきっかけにしていただけたら幸いです。
しかけ絵本とは?
本を開くと飛びだしたり、触ると音が出たり、ひっぱったりめくったり…が楽しいしかけ絵本。
自分のアクションに対して得られる「驚き」「感動」の感情は、学びに必要な「もっとやってみたい」という動機と集中力を育てます。
また、しかけ絵本での「めくる・つまむ・ひっぱる・さわる」という動作は手や指を多く使います。指は使えば使うほど脳に刺激が与えられ、脳の働きが活性化するため、「知育」に効果があると言われています。
【0歳】「触れる」「めくる」のしかけ絵本で脳を刺激!
0歳の赤ちゃんは、当然のことながら体も心も未成熟。発達段階から、どんな「しかけ絵本」が効果的か考えてみましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんの視力は0.01〜0.02程度。「まぶしい」「暗い」といった明暗がわかり、色は黒・白・グレーに見えています。
聴覚は胎児の頃から発達していて、生後8ヶ月には大人と同じように聴こえるようになると言われます。
生後2ヶ月くらいになってくると、徐々にものの輪郭や色を認識できるようになります。目の前でゆっくりおもちゃを動かすと「追視」という追う動きをするようになります。
生後3〜5ヶ月頃には0.04〜0.08の視力となり、ものへの焦点が合ってきます。奥行きが分かり、目と手が連動し始めて、手で何かを捕まえようとします。その単純な触れ合いから、赤ちゃんの脳や神経は刺激されていきます。
生後6ヶ月にはものを認知する力が発達し、パパやママや他の人の顔といったように、ものの区別ができるようになります。
その後、1歳頃には視力が0.1、3歳頃から1.0ぐらいの視力で見えるようになり、6歳になるとほぼ大人と同じくらいまで発達します。
色については、赤ちゃんが最初に認識できるのは「赤」で、3ヶ月頃から様々な色が見えるようになります。明度の高い「黄色、白、赤」やピンクなどの「パステルカラー」を好むという説もあります。
0歳向け しかけ絵本を選ぶポイント
○ 3ヶ月頃から …ふわふわ、もこもこなど「触れる」感覚が楽しい絵本
○ 6ヶ月頃から …いないいないばあ など変化を楽しむ「めくる」絵本
○ 色がはっきりしている、または色彩が鮮やかな絵本
○ 繰り返しが心地よい擬音語や擬態語(オノマトペ)の絵本
○ 実際に音のでる絵本(リズムに合わせて揺らされるのも赤ちゃんは喜びます)
絵本紹介
「うっきうっきおさるさん」

作/ぶん:ロザリンド・ジェンナー / え:アナスターシャ・ドラコヴァ / 訳編者:おがわ やすこ
出版社/大日本絵画
価格/¥ 2,000+税
“ロングセラーのあかちゃん向けしかけえほんシリーズ。新作はジャングルのおともだちとあそぶのがすきなおさるさんです。かわいい表情をした手触りのいいおさるさんのパペットが本についています。
うしろから手を入れ、お話にあわせておさるさんを動かしてみてください。泣いているあかちゃんの機嫌も良くなることでしょう! イラストのタッチや色合いがやさしいのも魅力です。”
http://www.kaiga.co.jp/products/detail.php?product_id=7503
「にぎやかどうぶつのあかちゃん」

作/ぶん:パトリシア・ヘガーティ / さく:リトル・タイガー・プレス / 訳編者:みた かよこ
出版社/大日本絵画
価格/¥ 1,800+税
“いぬ、ぺんぎん、ライオン、ぞう、ねこの5種類の動物の赤ちゃんが写真で登場します。こいぬの背中、ぺんぎんの羽毛、ライオンのむね、ぞうの耳、こねこのむねの部分はそれぞれが触れるようにもなっていると同時に、押すとそのかわいい動物たちの鳴き声も聞こえます。
見て、触って、音を聞いて楽しめる、小さなお子さんにぴったりの絵本です。”
http://www.kaiga.co.jp/products/detail.php?product_id=7360
「ポカポカフレンズのおんがくえほん はじめてのドレミ」

イラスト/さつき ねむ
デザイン/島谷 久代
出版社/三起商行(ミキハウス)
価格/¥1,580+税
“ピアノやもっきん、ひよこの声など、5種類から好きな音色を選んで演奏ができます。鍵盤付きで実際に弾くことができ、さらに子どもの大好きなメロディ5曲の自動演奏と楽譜付き。赤ちゃんがはじめて触れる「ピアノ」として是非おすすめです!
コンパクトサイズなのでお出かけなどの持ち運びにも便利。ギフトにも最適です。”
https://www.mikihouse.jp/store/item/17-1394-97300899999
「ぷれいぶっく」

絵/フィオナ・ランド
出版社/主婦の友社
価格/¥1,300+税
“ふわふわ、ぼこぼこ、ざらざら、がたがた、などの手触りだけでなく、色、形、連続するパターンなどを、楽しみながらまなべます。子どもの大好きな動物たちを案内役にしながら、鏡、いないいないばあ、きらきら……と、もりだくさんのしかけが次々に展開します。
目から、指先から、子どもの脳と感覚を刺激する、とても贅沢な知育型しかけ絵本。見ているだけで楽しくなるカラフルで鮮やかなイラストも魅力です。”
http://shufunotomo.hondana.jp/book/b141521.html
「NEWぴよちゃんとあそぼ!/とびだす いないいないばあ!」

作・絵/いりやまさとし
出版社/学研
価格/¥880+税
“「いない いない…」「ばあ!」の言葉に合わせてページを閉開する度、動物たちが隠していたお顔を「ばあ!」するポップアップしかけ絵本。シンプルでダイナミックな動く絵本に赤ちゃんも大喜び。『ぴよちゃんとあそぼ!』同名タイトルのリニューアル版。
このほかのぴよちゃんシリーズは、鏡つきの『ピヨピヨだあれ?』、フェルトめくりが楽しい『めくってばあ!』、ふわふわ布が優しい『ふわふわだあれ?』など。いりやまさとしの優しいタッチの絵も魅力です。“
https://hon.gakken.jp/book/1020440000
どれも大人でも心がほころぶような可愛い絵本でしたね。いかがでしたか?
0歳はとにかく「絵本の楽しさ」を知り、絵本のある環境を少しずつ整えていく時期。「絵本=おもしろいおもちゃ」ということに気づくのに、しかけ絵本はピッタリです。
また、忘れてはいけないのは、絵本は何より「親子のコミュニケーション」のツールであるということ。お母さんと赤ちゃんが一緒に参加して遊べるしかけ絵本は、まるで遊園地のように、親子の心を引きつけてくれるものになるでしょう。